食べる事が大好きだった糖尿病の祖父

祖父

もう10年以上前に亡くなった私の祖父は、糖尿病でした。

元々高血圧だった祖父が「糖尿病」と診断されたのは、60歳の時です。

病院に通院しながら内服治療と食事療法で10年以上頑張りましたが、ゆっくりと病状が進み、70代の初めには、自宅でインスリン注射をするようになりました。

インスリン注射をするようになった2、3年後でしょうか。

祖父は脳梗塞で倒れ、しばらくは入院治療を受けていましたが、そのまま退院する事なく、病院で亡くなりました。

母は祖父のために、とても熱心に糖尿病に合わせた食事を作っていたと思います。

冷蔵庫には、病院からもらった1日の食事量の見本やおすすめの献立メニューが、何枚も貼られていました。

当時、糖尿病で食事制限のある祖父の1日の摂取カロリーは1800キロカロリー。

味も糖尿病の祖父に合わせて、ずいぶんと薄味でしたし、祖父の食べるご飯は、いつも母が計りで正確に、きっちりと重さを計っていました。

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食べる事が何よりも好き

祖父は食べる事が、それは、それは大好きな人でした。
母が用意する糖尿病の人のための食事では、とても足りません。

本当はいけないのでしょうが、祖父は時々、私や兄に「お母さんには内緒だよ」と、近所のお店で、おせんべいやアイス、クッキーなどのお菓子を買ってくれました。

買ってもらったお菓子は、母が仕事から帰ってくる前に、祖父と兄と私で食べました。

また、お鍋や、焼き肉、水炊きなどの、家族みんなで1つの鍋から食べる特別なメニューの時にだけ、母は祖父の食事を取り分ける事をしませんでした。

自由に好きなだけ食べられる時の、祖父の食べるスピードと量には、いつも驚かされました。

子ども心に「おじいちゃん、いつもは本当、すごく我慢してるんだなぁ・・・」と思った事を鮮明に覚えています。

本当に食べる事が大好きだった祖父です。
糖尿病治療のための食事制限は、相当辛かったと思います。

たまにはコッソリとお菓子を食べたり、お腹いっぱいに食べたりはしていても、基本的に毎日の食事は1800キロカロリーでしたから。

食事制限が必要な理由

そもそもなぜ、糖尿病の人は、祖父のような食事制限が必要なのでしょうか?

糖尿病とは切っても切れない、とても重要な数値に、血糖値と言うものがあります。

血糖値とは、その名のとおり、血液の中に糖(主にブドウ糖)がどの位あるのかを数値化したものです。

糖尿病の人は、血糖の量を調節しているインスリンと言うホルモンが作用しにくくなり、血液の中に糖の割合が増え、高血糖状態になってしまっています。

インスリンが上手く作用しないのは、日本人の糖尿病患者の5%の人(1型糖尿病)は原因不明ですが、その他の95%(2型糖尿病)の人の場合は、生活習慣に原因があるとされています。

具体的に言うと、肥満、アルコール、運動不足などです。

つまり、肥満を解消し、適度に運動し、禁酒をする事で、インスリンが作用しやすくなり、血糖をコントロールする事が可能になります。

辛い食事制限ですが、糖尿病を悪化させないためには、とても有効なのです。

2型糖尿病患者の70%以上は、食事療法だけで症状を改善する事が出来るとも言われています。

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治療には家族の協力が不可欠

糖尿病は慢性の病気なので、毎日コツコツと根気よく続ける事が大切です。
糖尿病を患っている本人はもちろん、一緒に暮らしている家族の協力も必要なので、本当に大変だと思います。

大変ではありますが、食事療法や薬物療法、運動療法などで、血糖値のコントロールさえ上手く出来れば、健康な人と同じように、今までと変わりなくお仕事も出来ますし、趣味やレジャーを楽しむ事も出来ます。

亡くなった祖父も脳梗塞で倒れるまでは、糖尿病でしたが、お米を毎年作っていましたし、趣味のカラオケを楽しんだり、地区の日帰り旅行にも出かけたりしていました。

今になって、母に内緒で祖父と食べたお菓子を「おじいちゃん、糖尿病なんだから我慢しようよ」と断っていたら、もう少し長生きしてくれたかな?と思う事があります。

でも、その一方で、それは、それは幸せそうに、本当に美味しそうにお菓子を食べる祖父の笑顔も思い出し、まぁ74歳まで生きてくれたし、いつもは我慢していたし、食べるのが大好きな人だったから、一緒に食べたのも悪いばかりじゃなかったのかな?とも思うのです。

【投稿者】
tue519

【プロフィール】
病院に7年以上の勤務経験があります。亡くなった祖父が糖尿病でした。母が食事に気を遣っていたので、家庭で作る、糖尿病患者さん用の食事については詳しいと思います。

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