糖尿病になると尿から糖が出てくるのはなぜ? 

糖尿病という病気はよく耳にしますが、実は身体の中でどんなことが起こっているのか、よくわかっていないという方が多いのではないでしょうか。

今回は血糖とは何か、そしてどのような状態になったら糖尿病になるのかお伝えします。

スポンサーリンク

【糖が身体に取り込まれるしくみ】

糖尿病を定義すると、

「糖を細胞へ取り込むために必要なインスリンが、慢性的に足りない状態」

となります。

わかりにくいですね。

人間は食べ物を摂取すると、細かく分解して消化管から血液の中に取り込まれます。
消化管から取り込まれて血液(血管)中に存在する糖分を、「血糖」と言います。
食後はたくさんの糖分が血管の中を流れて全身を巡っています。

血管の中を流れるだけでは、身体の細胞一つ一つに糖分が取り込まれません。
血液中を流れる血糖は、細胞の中に取り込まれて初めて消化したことになります。
そして、細胞に取り込む時に必要不可欠なのが、インスリンというホルモンです。

血糖

血糖は、インスリンと手をつないだ状態でなければ細胞の中に入ることができません。
ですから、糖とインスリンのバランスが崩れてしまうと、糖が余ってしまうのです。

例えば、
・糖が過剰で、インスリンは普通
・糖は普通で、インスリンが少ない

このどちらの状態になっても、パートナーのいない糖が出てしまいます。

余った糖が過剰で、血管の中の糖分が非常に多い状態を、「高血糖」というのです。
血糖というのは、糖とインスリンのバランスによるのです。

あれ?
尿が出て来ませんね。
尿に糖が出るのは、もっとあとの話なのです。

まずは、
血糖=血管の中で余っている糖
高血糖=糖に対してインスリンが慢性的に足りない状態

であることを覚えてくださいね。
これが糖尿病を理解する上で必要な、ベースとなる知識なります。

スポンサーリンク

【血糖と腎臓の関係】

血糖と腎臓

近年、健康志向の高まりやインターネットの影響もあり、糖尿病についての知識は随分浸透してきたと思います。
しかし、やはり糖尿病という名前のせいもあり、正しくは理解されていないのではないとも思います。

直近で受けた健康診断の結果をお持ちでしょうか。
ここから先は、もし手元に用意できたら、あなたの結果と見比べながら読んでいただきたいと思います。

糖尿病かどうかは、どこを見たらよいのでしょう。
「尿糖」?
「血糖」?
惜しいですね。

答えは、「血糖」と「HbA1c」、そして腎臓の機能である「尿蛋白」「BUN」「Cr」です。
BUNは尿素窒素、Crはクレアチニンの略です。

HbA1cは血糖とは書いていませんが、過去2か月間の平均的な血糖の状態を示すものです。
健診前の1日だけ食事を制限したところで、HbA1cはごまかせません。
そして、HbA1cが高いということは、慢性的に高血糖の状態であるということの表れです。

高血糖を放っておくと血管がボロボロに

血管がボロボロ

人間の体には、ちょうどいい濃度(血糖)があるのです。
しかし、高血糖が続くと腎臓の血管はボロボロに傷んでしまいます。

腎臓は、全身を流れる水分から必要なものだけをろ過させて再吸収し、不要なものを外に出す働きがあります。

高血糖によって腎機能が低下すると、本来網の目のように細かいフィルターが目の粗いザルとなり、必要なものまで体の外に出すようになってしまいます。

最初は腎臓が頑張って、余分な糖分だけを外に出すので尿糖が陽性になります。

それが徐々にひどくなって尿蛋白が陽性になると、それは既に必要なものまで外に出してしまう「目の粗いザル」になっているということなのです。

そして怖いことに、高血糖によって傷んだ血管が修復することはありません。
よって、一度落ちた腎臓の機能が復活することはないのです。

糖尿病という名前ではあっても、尿に糖が出る状態では遅いということですね。
そうなる前に、BUNやCrで腎機能をチェックしておく必要があります。

もっと言うと、血糖のコントロール状態を示すHbA1cを正常範囲内に留めておけば、腎臓を守ることができるのです。

ちなみに、HbA1c≧6.5%が糖尿病の診断基準ですが、この値では何の自覚もない人がほとんどです。

知らない合間に糖尿病は進行し、そして腎臓を始めとした全身の血管がボロボロになって、取り返しがつかなくなってしまうのです。
怖いですね。

糖尿病の予防には、血糖を高くしないことが一番重要です。
インスリンの分泌量を調節することは自分ではできませんが、食べるものなら調節できますからね。

血糖とは何か、高血糖というのはどういう状態なのかご理解いただけたでしょうか。

お伝えしたいことはまだまだありますが、今日はここらへんにしておきましょう。

スポンサーリンク