糖尿病における運動療法 (目的、効果、禁忌)

運動療法

運動療法(理学療法)について説明します。

糖尿病患者における理学療法の目的は大きく4つあります。

・末梢組織のインスリン感受性を改善してブドウ糖の利用率を増加させる。
・筋量を増加させ、体脂肪、血中の中性脂肪などを減少させる。善玉菌を増加させる。
・食事療法で摂取エネルギーを抑制し、運動療法により消費エネルギーを増加させる。
・運動耐容能を増加させる。

これらの目的をもとに各個人様に合わせた理学療法を施行します。

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糖尿病患者における運動療法

実施時間

食事摂取1時間後に行います。

運動の種類

個人の生活に合った有酸素運動(ラジオ体操、ジョギング、歩行、水泳、エアロビクスなど)を行います。

運動強度

①目標心拍数:「予測最大心拍数(200-年齢)×0.7~0.8」「予測最大心拍数(220-年齢)×0.5~0.6」
②自覚的運動強度(RPF):「やや楽である」
③ボルグ指数「11~13」新ボルグ指数「4~6」
④最大酸素摂取量の40~60%

運動継続時間・運動頻度

1~2回/1日、30分以上/1回、週3回(隔日)を目標とします。

運動時注意事項

①運動前後の血糖モニター(簡易型グルテストセンサー使用)
②長時間の運動では捕食(角砂糖など)を携帯する。
③食事療法を考慮して運動量を設定する。
④運動療法は標準体重を維持する。
⑤インスリン注射は運動開始1時間以上前に実施する。
⑥インスリン注射部位の運動は避ける。
⑦透析患者は非透析日に運動療法を実施する。
⑧透析用前腕シャントがある場合、非シャント側で血圧測定を行う。
⑨糖尿病性壊疽(下肢の皮膚色の観察)に注意する。皮膚を清潔に保つ。

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運動の禁止

感染症(感冒など)、発熱、尿ケトン体(+)、血糖250mg/dl以上の場合直ちに中止します。

運動の効果

運動療法には次のような効果が期待されています。

①インスリン必要量の減少、インスリン感受性(インスリン抵抗性)の増加
②血圧降下作用(高血圧の予防)
③動脈硬化の予防(血清コレステロールの低下、血中中性脂肪の低下、血中HDLコレステロールの増加)
④糖忍容力の向上、免疫能の改善、社会的適応性の増大
⑤体脂肪の減少、肥満の改善
⑥心肺機能、筋骨格系の機能の維持増大
⑦筋内へのグリコーゲン貯蔵率の増加

糖尿病患者への運動療法処方の禁忌

以下の症状がある場合運動療法は禁忌となります。

①増殖網膜症による新鮮な眼底出血がある
②腎不全がある(血清Cr男性2.5mg/dl以上、女性2.0mg/dl以上)
③血清コントロールの悪化によりケトアシドーシスが出ている
④空腹時血糖値250mg/dl以上(HbA1c9%以上)
⑤心血管障害合併例

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