糖尿病の合併症で怖い大・小血管障害

糖尿病の合併症

❢まず、糖尿病という病気について。

糖尿病というのは、血管を流れている血液の中の糖が「多すぎる」という病気です。

膵臓から分泌されるインスリンが血液中の糖分の調節をして必要な臓器に分配してくれる役割をするのですが、そのインスリンが何らかの原因により働きが悪くなったり、インスリン自体が分泌されなくなってしまいます。

その結果、血液中の糖分が「多すぎる」状態となるのです。この状態を高血糖といい、正常な血糖値に下げて維持する事を糖尿病の治療、血糖コントロールと言います。その治療のために、日々食事制限や運動療法、薬物療法をしているのです。

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❢糖尿病の治療をしないとどうなるのか?

合併症が起こるリスクが高まります。

高血糖状態が持続すると、喉が渇いたり、普段以上に疲れやすくなったりします。

症状がなくても、血糖値が高く血糖コントロールが上手くできていない状態が続くと合併症が起こるリスクが高まるのです。

❢合併症って何?

合併症というのは、元の疾患(この場合は糖尿病)によって引き起こされる体に起こる二次的な病気と考えていただくと分かりやすいかと思います。

糖尿病であるから必ずしも合併症が起こるという訳ではありませんが、時として命に関わる事もありますので、注意が必要です。

合併症には、大きく分けて2つあります。

① 急性合併症

⇒急激なインスリンの作用不足による糖尿病性ケトアシドーシス*1

*1)糖尿病性ケトアシドーシス:

ケトアシドーシス

急激に血糖値が上昇したために悪心・嘔吐・腹痛などの消化器症状や脱水症状が出現します。症状が進行すると、意識障害や昏睡状態となる可能性もあります。命に関わる症状ですので、緊急的な治療が必要となる事があります。

② 慢性合併症

⇒血液中に過剰に増えた糖はタンパク質と結合して糖化タンパクとなり、強い毒性を持ちます。その糖化タンパクが血管内皮細胞(血管の内側の細胞)を傷つけ、細小血管障害・大血管障害を引き起こします。

細小血管障害とは、漢字の通り細くて小さな血管にダメージを受ける事で「糖尿病三大合併症」はこれにあたります。大きく太い血管より先にダメージを受けます。

糖尿病三大合併症(細小血管障害)

・糖尿病性神経障害 :

糖尿病性神経障害

高血糖のため神経細胞に必要な酸素や栄養が行き渡らなくなるため感覚障害(しびれ、感覚低下、痛み)が足に出現します。進行すると、糖尿病性足病変(感覚低下→傷・ケガに気づかない→重症化→壊疽(えそ)→切断)となりかねません。

・糖尿病性腎症 :

糖尿病性腎症

腎臓の血管は、血液が全身を巡って回収してきた老廃物を尿として排出するためのバトンタッチの役割をしています。

腎臓の血管がダメージを受ける事で尿として排出される予定だった老廃物が再び全身を放浪する事になります。老廃物が体中を巡る事で、きれいな血液が供給されなくった脳や心臓がダメージを受ける事になります。

進行すると、人工的に血液を体の外に出し老廃物を除去してきれいになった血液を体に戻すという作業が必要になります。これが、人工透析です。

・糖尿病性網膜症 :

糖尿病性網膜症

糖尿病患者の中のおよそ50%が発症しているという怖い症状です。

目の中の網膜の周囲には無数の小さな血管があります。その小さな血管が高血糖により壊れてしまう事で網膜に必要な酸素や栄養が供給されず視力の低下や失明を引き起こします。

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大血管障害

大血管障害は、長期間かけてさらに大きな血管が傷つく事で血管内皮細胞が担っていた「動脈硬化を防ぐ」という役割を阻害してしまいます。

動脈とは、全身へ必要な酸素や栄養を含んだ血液が送られるためのホースの役割をしています。そのホースが弾力を失い硬くなったり、ホースの内側に様々な物質が沈着して血液が通りにくく渋滞したり、通れなくなって詰まってしまったりする事を動脈硬化といいます。

血液が渋滞している間に血液の塊ができてしまうものを血栓と言います。

大血管障害による血栓

・脳血栓 :

脳の中でホースが詰まるもしくは渋滞して、その先の血管に酸素と栄養が行き届かなくなったり、その間に血栓ができてしまい脳の他の場所に通行止めを引き起こして脳にダメージを受ける事を脳血栓といいます。

・脳塞栓 :

脳以外の他の場所の血液の流れが滞り、その間にできた血栓がホースをたどって脳に到達し脳の血管を通行止めしてしまう事を脳塞栓といいます。

脳血栓

*一般的に脳梗塞と呼ばれる疾患は、脳血栓と脳塞栓を合わせたものです。ダメージを受ける場所にもよりますが、意識障害や麻痺が後遺症として残る場合があります。また、命に危険が及ぶ事もあります。

・心筋梗塞 :

心筋梗塞

全身のどこかの血管で血栓ができ、それが心臓の血管(冠状動脈)を塞いでしまった状態をいいます。冠状動脈は、心臓の筋肉が動くために必要な酸素や栄養を供給しています。

冠状動脈が閉塞してしまうと心臓の筋肉が壊死して働く事ができなくなり「ドクンドクン」と上手く拍動できず心臓の機能が低下します。壊死した心臓の筋肉の範囲や場所により、心筋梗塞が重症になると、命に危険が及びます。

《まとめ》

とても恐ろしい合併症について記載しました。糖尿病と戦う上では「知らない」では済まない大切な事だと思って私も日々生活しています。

合併症を引き起こす一番の敵は、血管のダメージ!そのダメージを防ぐためには、血糖コントロールが大切と、思い知りました。

絶対に合併症を予防できる方法はありませんが、合併症の早期発見や血糖コントロールのためにも定期的な受診と検査が大切です。

毎日合併症の恐怖と戦う必要は個人的には不要だと思っていますが、血糖値や自身の体と向き合う必要はあるかなと思っています。

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milkfrance

milkfrance

糖尿病の夫をサポートする母ナースです。 おいしい食事制限日々勉強中!

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