糖尿病とリンパ浮腫の関係

リンパ浮腫

そもそもリンパ浮腫って何?

糖尿病と比べて、リンパ浮腫はあまり知られていません。

糖尿病が生活習慣の改善などにより予防していく病気であるのに対して、リンパ浮腫は多くの人にとって「診断されてから知る」病気だからです。

リンパ浮腫とは、リンパ管系の輸送障害によって起こる局所性の浮腫(むくみ)です。

簡単に言うと、リンパ液の流れが悪くなったり、あるいは詰まってしまい、その部分から抹消(心臓から離れていく方向)にリンパ液が貯留し、そのまま停滞してしまう病態です。

生まれた時からリンパ節の機能不全が見られる遺伝性のもの、乳がんなどでリンパ節郭清を行ったことで起こりうる2次性のもの、ガンがリンパ節に転移し、その機能を失わせるガン性のものなど、いくつかに分類されます。

リンパ浮腫は、異常をきたしたリンパ節の位置によって、出現する部分が異なりますが、例えば首のリンパ節が機能しなくなれば顔や首回りに、右の脇の下のリンパ節が機能しなくなれば右腕や右胸背部に出現します。

女性は特に、仕事終わりの夕方になると膝から下がむくんでつらいという経験をした方が多いと思いますが、要は、その辛さがずっと続くわけです。

症状が悪化してくると、通常のむくみとは違い、皮膚の表面が硬くなり、むくんだ部分を高く上げたくらいでは、症状は改善しません。

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糖尿病との関係は?

一見、糖尿病とリンパ浮腫はあまり関係がないように思えますが、そんなことはありません。

糖尿病の患者さんは、中性脂肪値が高い傾向にあります。この脂肪はリンパ浮腫にも悪影響を与えるのです。

リンパ液は脂肪の隙間に溜まっていきますから、脂肪の量が多いということは、むくみが出現する場所を増やしているということです。

そして、脂肪の中に溜まったリンパ液はじわじわと炎症を起こし、リンパ浮腫の発症・増悪につながります。

糖尿病を患っており、リンパ浮腫の発症リスクもある患者さん(乳がんや子宮頸癌の手術時に近くのリンパ節に何らかの障害が加わった方)。

またはすでにリンパ浮腫を発症している患者さんは、この関連性を心に留めておく必要があります。

神経障害のある方は要注意

糖尿病の合併症として末梢神経障害が発症している患者さんは、さらに注意が必要です。

末梢神経障害とは、血液が体の隅々まで行き渡らず、手先や足先の感覚が乏しくなったり、痺れを起こす症状です。

例えば、健常ならば、少し指先を切ったり、足裏に画鋲が刺さったりすれば、痛みを感じ、すぐに止血や消毒といった処置が行えるので、小さな傷ならばすぐに治ってしまいます。

しかし、末梢神経障害のある部分は、痛みを感じにくく、傷ができ、化膿してもそのまま放置してしまい、感染が広がる危険性があります。

リンパ浮腫は大きな皮膚の損傷だけではなく、虫刺されや小さな切り傷をきっかけに発症することもあるため、末梢神経障害のある患者さんは、とりわけ気を使って皮膚の観察やケアを行う必要があります。

そして、もう一つ厄介なのは、糖尿病によって傷の治りが悪くなるということです。創部は、一度感染し、化膿してしまうと、通常の処置では治りが悪く、感染した状態が長引くほど、リンパ浮腫は悪化してしまうのです。

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まとめ

すべての糖尿病患者さんがリンパ浮腫発症のリスクを抱えているわけではありませんが、中性脂肪の蓄積がもたらす悪影響や、合併症としての末梢神経障害の怖さ、傷の治りにくさについては知っておく必要があります。

糖尿病に関連する様々な病態について知ることで、自分の症状と照らし合わせながら、より知識を深めることができ、セルフケア能力、すなわち「自分で自分をケアする力」が身についていくのではないかと思います。

リンパ浮腫の原因、症状、治療

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