1型糖尿病と2型糖尿病の比較・違い

やせ型の糖尿病

糖尿病と聞いて想像するのは大体が2型糖尿病と言われるものである。それに比べ1型糖尿病は世間にあまり知られていない。

まずは1型糖尿病と2型糖尿病を比較してみる。

比較項目 Ⅰ型糖尿病 Ⅱ型糖尿病
発症年齢 若年者に多い 成年以降に多い
発症 急激 緩徐
頻度 1~3% 95~97%
体重 肥満はない 肥満(30~40%)
ケトアシドーシス傾向
糖尿病家族歴 (-)の場合が多い +++
HLAとの関連
自己免疫
ウイルス感染の先行
インスリン治療の要否 不可欠 -~+

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Ⅰ型糖尿病

病因;ウイルス感染や膵臓のランゲルハンス島β細胞に対する自己抗体の産生に起因する自己免疫機序によるβ細胞の破壊。

*自己抗体を証明されない特発性もある。

男女差

糖尿病、男女差

では、男女で差があるのか見てみる。これはすべての糖尿病をもとにデータ化したものである。

〈性差〉

性差で見ると、女性より男性の方が糖尿病発症率が高い

戦後の日本では、男性は肥満化の傾向があり、女性は近年、若い世代を中心に少しやせる傾向がみられる。それが原因かは、まだ定かではない。

また、男性の糖尿病有病率が高いのは日本人に限ったことではなく、多くの国で同じ傾向がみられる。

動物で行った研究では、雄の精巣をとると糖尿病の発病率が減り、雌の卵巣を取ると糖尿病の発病率が増えるという結果も報告されていて、性ホルモンの違いも糖尿病有病者率に性差がある原因の一つである。

1型糖尿病の治療法

インスリン療法、食事療法、運動療法

(1)食事療法

原則は“理想的な食生活の継続”であり、食事制限はない。正常な成長および発達に十分なエネルギー必要量および適切な栄養素の配分(表1)を基準とし、体格あるいは生活活動強度により個別化した指導をすべきである。

表1

糖質 総摂取カロリーの50~60%
脂質 総摂取カロリーの20~25%、コレストロール≦300mg/日
蛋白質 総摂取カロリーの10~20%

(2)運動療法

適切な運動の継続が重要である。患児家族の日常生活にあわせた継続可能な運動メニューの作成が望ましい。運動強度(運動種目)(表2)および運動持続時間からおおよそのエネルギー消費量を計算しておくとよい。

<2型糖尿病>

2型糖尿病はインスリン非依存性型糖尿病(NIDDM)とも呼ばれていた。インスリン分泌障害とインスリン抵抗性が本能である。

成人に多く発症し、糖尿病患者の大部分を占める。遺伝的には糖尿病の家族歴を有する者が多く。発症因子としては遺伝的要素に加えて過食、肥満、運動不足、ストレスなどの環境因子があげられる。

発症は緩徐で自覚症状がないまま進行する。ケトアシドーシスの発症は少ない。

治療にはインスリンが必ず必須ではなく、食指療法、運動療法で症状が改善することが多い。本症の予後は合併症の発症をいかに予防するかによって決まる。

<外国との糖尿病発症率>

日本人を含む黄色人種は白人などに比べてインスリン分泌が低い傾向と、日本人はさらにインスリン分泌が少ない遺伝的背景があるから日本人は糖尿病を発症しやすい。

<2型糖尿病の治療法>

食事療法、運動療法、食事療法・運動療法により十分な治療効果が得られない場合、経口血糖降下薬あるいはインスリンを考慮する

(1)食事療法

原則は“食行動の修正を含む個々の症例にあった食生活の継続”である。正常な成長および発達に十分なエネルギー必要量を参考とし、肥満の程度に応じたエネルギー制限を必要とする。個々の症例あるいは個々の家族に応じて、食行動の修正を含む個別化した指導をすべきである。

(2)運動療法

適度な運動の継続が重要である。患児家族の日常生活にあわせた継続可能な運動メニューの作成が望ましい。運動療法における運動は一般的な運動のみならず体を動かすこと(活動)も含まれることを強調する。毎日30分以上体を動かし、1日摂取エネルギーの10%以上を運動で消毒するように指導する。(表2)

表2

運動種目 エネルギー消費量(kcal/㎏/分)
歩行(60m/分) 0.053
ダンス 0.058
自転車(10㎞/時) 0.080
軽いジョギング 0.138
テニス(練習) 0.143
サッカー(練習) 0.143
ジャズダンス 0.152
バレーボール(練習) 0.250
バスケットボール(練習) 0.259
柔道(試合) 0.300
水泳(クロール) 0.374

予後は1型2型ともに同じような傾向にある。

糖尿病の予後

糖尿病壊疽

重篤な合併症を引き起こすことが多い。

3大合併症である糖尿病神経障害、糖尿病網膜症、糖尿病腎症がある。

さらに動脈硬化に関連した心筋梗塞や脳卒中、下肢閉塞性動脈硬化症なども引き起こし重症化を阻止できない場合、ADLやQOLを大きく損なうような事態を招くこともある。

このような治療法で完全に糖尿病が治るわけではないが、食事療法と運動療法を組み合わせることにより、重篤な合併症を防ぐことができる。

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