1型糖尿病の薬物療法について種類と実態

薬を飲む

1型糖尿病の治療に欠かせないのが薬物療法である。また2型糖尿病の場合にも薬物療法が適用されることがある。

ここではインスリン製剤の種類や主な作用について説明する。

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○1型糖尿病

1型糖尿病は自己免疫性、特発性に分類されるが、いずれも膵β細胞障害により内因性インスリン分泌が枯渇する病態である。

1型糖尿病ではインスリンの分泌が起こらないため、インスリン療法を適応する。

1型糖尿病の場合、しばしばケトーシスやケトアシドーシス(血中ケトン体が増え、血液が酸性に傾く)を発症し、これらはインスリンを直ちに投与しなければ生命の危険がある。

また、ゆるやかな進行例でもいずれインスリンの絶対的不足をきたすことから、血糖値やヘモグロビンA₁c値によらず速やかにインスリン療法が開始される。

また、完全なインスリン依存(インスリン投与が必要な)状態に陥る前に1型糖尿病と診断された場合(自己抗体陽性の場合など)にも、早めにインスリン療法を行うことで発症の予防や遅延が可能である。

■インスリン製剤の種類(表1)

分類 商品名 剤形 発現時間 最大時間 持続時間
超速効型

ノボラピッド

ヒューマログ

C/K/V

C/K/V

10~20分

15分以内

1~3時間

0.5~1.5時間

3~5時間

3~5時間

速効型 イノレットR

イボリンR

ヒューマカートR

ヒューマリンR

ヴェロスリン

K

K/V

C/K

V V

30分

1~3時間

8時間
混合型 イノレット10R~50R

イボリン10R~50R

ヒューマカート3/7

ヒューマリン3/7

K

K/V(30Rのみ)

C/K

V

30分

2~8時間 24時間
中間型 イノレットN

イボリンN

ヒューマカートN

ヒューマリンN

K

K/V

C/K

V]

1.5時間 4~12時間 24時間
持続型 ノボリンU

ヒューマリンU

V

V

4時間

4~6時間

8~24時間

8~14時間

24~28時間
持効型 ランタス K 30分 24時間

①超速効型

ノボラピッドやヒューマログはアミノ酸配列を改変して吸収をはやめる。食事を始める直前の皮下注射食後高血糖を効果的に抑制し、作用持続時間も短いことから、低血糖を起こすリスクを減らすことなどが期待できる。¹⁾ノボラピッド・ヒューマログ。

②速効型

食前20~30分前に注射する。 イノレットR・イボリンR・ヒューマカートR・ヒューマリンR・ヴェロスリン。

③混合型

イノレット10R~50R・イボリン10R~50R・ニューマカート3/7・ヒューマリン3/7。

④中間型

イノレットN・イボリンN・ヒューマカートN・ヒューマリンN。

⑤持続型

基本的には作用ピークがなく24時間にわたって作用が持続しヒトの生理的なインスリン基礎分泌を補塡するのに最も適したインスリン製剤である。イボリンU・ヒューマリンU。

⑥持効型

注射後6~8時間頃にインスリンのピークが認められ、この時間に低血糖を起こす可能性があるため、最近では持効型インスリンを使用することが多い。ランタス。

■インスリン製剤の主な副作用と他の薬物との相互作用(表2)

主な副作用 作用を増強する薬物 作用を減弱する薬物など
低血糖/過敏症(アレルギー、蕁麻疹、発疹、掻痒感)/注射部位での発赤、掻痒感、疼痛、腫脹、硬結、リボディストロフィー(皮下脂肪の萎縮・肥厚など)/抗インスリン抗体産生など 飲酒/経口糖尿病薬/モノアミン酸化酵素阻害薬(パーキンソン病治療薬)/アスピリン・エテンザミド(解熱鎮痛薬)/シクロホスファミド(抗腫瘍薬)/β遮断薬(降圧薬)/ワルファリン(抗凝固薬)/クロラムフェニルコール(抗菌薬)など チアジド系利尿薬/副腎皮質ステロイド/エピネフリン(昇圧薬)/グルカゴン/成長ホルモン製剤/甲状腺ホルモン製剤/イソニアジドなど

■インスリン療法の実際

インスリン療法とは、外部からインスリンを投与することにより、できる限り正常に近いインスリン分泌動態を得ることを目的とする療法である。

インスリンが絶対的に欠乏する1型糖尿病はもちろんの事、適切な治療を行ってなおも良好な血糖コントロールが得られない2型糖尿病や、厳密な血糖管理が必要な糖尿病合併妊娠、昏睡などで緊急に血糖を下げる必要がある場合などでも行われる。

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